ティール組織 : マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現
https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41CoVjKqjIL.jpg https://www.amazon.co.jp/dp/B078YJV9ZW/
まとめ
健全な組織では誰もが自分自身があるべき姿に向かって活動できる
マネジメントにおいて、そうした活動が組織への貢献になるような仕組みを作ることが何よりも重要
組織として何を実現しようとしているのか?
それに対して何をすべきかを、それぞれが自分で意思決定して、それをやり切る そのサイクルを支援する仕組みづくりをしていく
組織という魔法
近代化によってこの 200 年の間にかってなかったほどの富と健康がもたらされた
組織として協働している複数の人々の取り組みが出発点になっている
人々が協働する媒体としての組織が機能しなければ、人類はこれだけの進歩を遂げられなかっただろう
組織として取り組むことで自分だけではできない結果を成し遂げる
人々をその気にさせて実力以上の能力を引き出し、自分だけではできなかったはずの結果を成し遂げさせてしまうのだ
ティールという価値観
意思決定の基準が外的なものから内的なものへと移行する
充実した人生を送るためには「誠実さ」「自分らしさ」といったことが重要
自分の本質に迫り、自分の使命に向かって努力するのがその原動力
逆境にも優雅に対処していくことができる
この世の中に失敗などは存在しない。ただ自分自身や世界の奥底にある本当の姿に近づくための経験に過ぎない。 内的なものに向かってそれぞれが活動していく
「生命体」や「生物」のようなもの
進化に向けてあらゆる知恵を働かせながら複雑な生態系を維持している
ティールの価値観に基づいて運営されてる組織
ティール組織において重要なポイントが 3 つある
自主経営
全体性
存在目的
権力の不平等な分配がモチベーションの欠如につながる
オランダの在宅ケアサービスを提供する組織であるビュートゾルフ
小さいチームを作ってそのチームで特定地域を見るための権限をすべて渡した
驚くべき成果
結果として患者一人一人に向き合って丁寧なケアをできるようになった
驚くべきことに、一顧客辺りの介護に必要な時間も 40% ほど少なくなった
顧客満足度も従業員満足度も高い
上司がいない
問題はすべて自分たちで解決する (例: 夜勤を誰が担当する?)
相互作用による問題解決方法と呼ばれる研修を全員が受講する
例えばミーティングの進行の仕方、参加者が考慮すべきことなど
コーチが必要に応じて助けに入るが、コーチはそのチームに何ら責任を負わない
コーチングは問題解決をするのでなく、問題解決をするチームを支援する 意思決定はチームにしてもらう
チームが問題を正しくとらえて解決策に辿り着けるように支援する
必要最小限のスタッフ機能
人事、法務、財務などが最小限で権力もない
チーム同士の助け合い、ボランティアによるタスクフォース、フリーランサーなどでなんとかする
階層的組織とスタッフ機能には人のやる気を削ぐ要素がある
スタッフ機能には効率性を期待できる、というのがよく持ち出される理由だ。これは「規模の経済」の考え方に基づいているが、金銭面の効果を容易に見積もることはできても、それに伴うモチベーションの低下を数値に表すことは無理だろう
「助言プロセス」と呼ばれる方法が一般的
組織内のだれがどんな決定を下してもかまわない
その前に全ての関係者をその問題の専門家に助言を求めなければならない
助言を全て受け入れる必要はないが真剣に検討しなければならない
問題について助言を求められた人が問題の存在を知ることができる
それによって「同じコミュニティにいる」という感覚を強め、自分が必要とされてると感じる
自分で意思決定できると楽しいし、当事者の方がよい意思決定に繫げることができる
購買と投資なども必要な人に必要なことを相談して自主的にやる
バルク発注も気づいた人が取りまとめてやる
内部コミュニケーション
自主的に意思決定できるようにすべての情報が公開されてるべき
イントラネットに情報がまとめられ、誰でも更新したり、検索したりできる
解決するためのプロトコルが決められている
モーニング・スターの仕組みが一般的
まずは直接会って二人だけで解決する
相手にお願いしたいことを明確に述べ、それに明確に答える
決めつけ、要求はできない
両者が合意できない場合は二人が信頼できる別の同僚を調停者に指名する
解決をサポートするけど、解決策を強制はできない
調停がうまくいかないと委員会が招集される
ここでも両者の言い分に耳を傾けて合意形成を支援する
役割の決定と配置
役割を明確にした上で文書に残す
チーム内の役割とガバナンスをはっきり決める
ホラクラシーを、組織についてのオペレーティング・システムとして考えてください。テクノロジーでも、ソフトウェアでもなく、社会的なテクノロジーととらえるのです。..... 組織にも OS が備わっていて、そこに疑問が差し挟まれることはありません。 ホラクラシーワンは組織の OS をアップグレードしていくために最低現必要な組織運営方法を見いだしている
役割を交換可能にする
役割のマーケットプレースを設置(これは OS でなくアプリケーション) して、ほかの人と役割を交換できる
役割を評価するためにそれを格付けできる
それは元気が出るような仕事か?ぐったり疲れてしまう仕事か?
自分の才能が活かされているか? 活かされていないか?
今のスキルと知識はこの役割に役立っているか?
実績管理
自分が実現したいことに向けて自分で行動するのでムチを打つ必要がない
自分がやってることが上手くいってるのか確認したくはなる
実績は基本的にチームに対してみるもの
個人単位のフィードバックは欲しい人がいる
管理職がいないので自分たちで決める、ピアベース
ホラクラシーワンの格付け方法
この人は私よりも(はるかに)多く、あるいは(はるかに)少なく会社に貢献している
この人には、私を評価できる十分な材料または根拠がある
自分で給与を決めるような仕組みもある
ここでも助言プロセスを活用する
あるいは自分が自信の給与の妥当性を説明する仕組みもある
生活する上での基本的ニーズを満たすのに十分な給与を全ての従業員に行き渡らせる
マズローの思考に従えば、基本ニーズが満たされて、次のニーズにいける
それぞれが自分らしくいられる環境を維持する
内省のための空間も大事にする
「自分自身が常に正しいはずだ」という思い込みをやめ、ほかの人々の現実や考え方に耳を傾け、それらを尊重せよ
お互いのことを知る、その人を知れば知るほど、疑いの目で見たり、嫌いになったりする可能性は低くなる
チーム同士の関わり合いの質を評価する。どのチームが対話をして協力関係を改善すべきか分かる。
私はこう感じています
私はこれを必要としています
あなたは何が必要ですか?
人事プロセス
採用ではとにかく正直にお互いのことを理解できるようにする
人々との信頼を気づき、会社をあらゆる角度から理解して自主的に行動できるようにする
役職や職務記述書は存在しない
そういうものは自分で見つけるもの
コミットメント、労働時間
自分がどのくらい情熱を注ぎ込めるかを明確に選択できるようにする
これは人によって選択できるし、柔軟に変更できる
称賛する
どのような貢献をしたか尋ねる
どのような貢献をしたいか尋ねる
どのように組織がそれを支援できるかを尋ねる
組織が定める「ミッション・ステートメント」が空疎に響くのは、自社の存在目的よりも「勝利」を重視しているからだ。
ティール組織では、「自分が人生で成すべき使命は何か?」「本当に達成のしがいがあることは何か?」といった意義や存在目的について深く考えるようになる。
組織が本当に自社の目的のために存在しているとき、競争は存在しない
自社の存在目的をより広く、早く達成するための協力者は誰でも味方
自分たちのノウハウを惜しみなく公開する
利益は仕事をうまくやり遂げたときの副産物
存在目的をベースに意思決定が進む
組織を生き物と捉えると、どんな組織でも存在目的はある
イノベーションは、組織の中心から計画に従って起こるのではなく、常に組織の末端で起こる。
マーケティング
「これが私たちの提案です。今この瞬間に、これこそがおそらく、私たちにできるせいいっぱいのことです。お気に召していただけると良いのですが」
これ以上のマーケティングは要らないのではないか?
予測とコントロールを手放す
自社の存在目的に向けて高速反復を何度も行う企業の方がスムーズに進歩できる
目標を設定しない
目標設定の問題点
自分たちは未来を予測できるという前提に立っている
内なる動機から遠ざかった行動をするようになる
新しい可能性を感じ取る能力が狭まりがちになる
共通の文化特性
https://gyazo.com/ac69a59a500498c46c35c174a69b6d15
どうやって文化を生み出していくか?
組織文化を支える構造、プロセス、慣行を整える(右下の象限) 社内で倫理的権威を持った人々が、文化に関連する行動の模範となれる環境をつくりだす(右上の象限)
個人としての信念体系が新しい文化を支えるのか、崩すのかを組織の人々に探求してもらう(左上の象限)
https://gyazo.com/14db1093c4edeef8b73d15b8ef9bc783